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―この四年間、専攻ではどのような課題に取り組んできましたか?

 

 

まずは2年生で染織の基礎的な技法を学びました。染めの分野ではろうけつ染め・シルクスクリーン・型染めなど、織の分野では綴れ織り・平織り・組織織り・絣などの技法を習得しました。制作した作品としては、タピストリー・浴衣と帯・かばんなどがあります。3年生からは、学んだ技法を生かして自由な制作をさせて頂きました。専攻のみんなで学園祭でお店を出して手作りのものを販売するという課題もあり、楽しみながら制作することができました。

そして卒業制作は、2年生のときに浴衣を制作したのがとても楽しかったこともあり、着物を作ることにしました。

 

 

 

―専攻での課題からはどのようなものを得ましたか?

 

 

技術を得たのはもちろんのことなのですが、ものを作る上で大切にすべきものは何なのかということを学びました。例えば、白い布に柄を染めるとき最も重要なのは、白い余白をいかに綺麗に残すかということなのだと先生から教わりました。見た目以外のことでも、一つ一つの作品にしっかりとコンセプトを与えて、意味を持つ作品にすることの重要さを学びました。あと、卒業制作のときに特に感じたことは助け合いの大切さです。作品作りから展示まで、人の支え無しではできていなかったと思います。些細なことでも協力してくれた人には感謝しています。

―卒業制作のテーマ・コンセプトについて教えてください。

 

 

現代的で洋服感覚で着たくなるきもの、というコンセプトで 作りました。これまでの歴史的に洋服には凄まじい変化があるのに、和服にはそこまで大きな変化は見られません。それに、きものを着るときと言えばお祭りのときや正式な行事のときくらいが一般的です。せっかく日本にはきものというファッションがあるのだから、もっと時代に合った形のものがあってもいいと思います。みんながお店で気軽に洋服を選ぶのと同じように、きものをお買い物するような環境になればもっと日本のファッションの幅が広がって楽しいだろうと思います。

 

 

 

―どのような技法で制作しているのですか?

 

 

きものの方は、レースを染めていたり、布をシルクスクリーンで染めたりしています。帯の方は、自分で染めた糸や市販で購入した糸を混ぜて織り込んでいます。

 

 

 

―制作にあたっての苦労について教えてください。

 

 

きもののレースなのですが、レースの布を使っているのではなくてリボン状になっているレースを1列ずつ布に手縫いしています。手縫いなのでとても時間がかかりました。帯も1本が3m80cmあるので、ひたすら織り機に座って織っていました。

 

 

 

―差し支えなければ、卒業後について教えてください。

 

 

きものの会社に就職することができたので、商品の開発・デザインに携われるようになるために努力していきたいと思っています。

 

―卒業・修了作品展へご来場される方へ、メッセージをお願い致します。

 

 

一人一人が今の自分の集大成として作った作品を展示しているので、ぜひ見て頂きたいです。同じ専攻の中でさえジャンルや作風が全く異なるので、様々な作品があって面白いと思います。

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