


―この四年間、専攻ではどのような課題に取り組んできましたか?
空間デザイン・プロダクトデザイン・椅子(すわるかたち)デザイン・環境デザイン・庄原ワークショップ(地域活性化プロジェクト)・専攻内プレゼン大会・感覚表現(風・雨・時をたのしむ)など幅広く制作してきました。
―専攻での課題からはどのようなものを得ましたか?
モノをつくるうえで考えなくてはならないことがたくさんあることを学びました。コンセプト・機能・利便性・対象者・環境・造形美(機能美)・適正なサイズ、重量・適正素材の選択(素材の特性を理解した上での使用)などですね。
そのほか、作品を相手につたえるというプレゼンテーション力や展示構成を考える力が得られたと思っています。


―卒業制作のテーマ・コンセプトについて教えてください。
大人になり身長も伸びた。日々の喧騒や取り巻く環境の変化により、こどもの頃ほど自然に向き合えていない自分がいた。
SITSQUAREは最も身近な自然=大地を素手で触れてその感触を楽しみ、こどもの頃と同じ、低い視線でものを見る体勢がとれる。「這う」ことをしなくなった大人に送る全く新しいあそびです。



―制作のおおまかな流れを教えてください。
テーマ(コンセプト)決め→調査→スケッチ→模型制作①→見直し→模型制作②→素材調達→素材見直し→本制作→協力してくれる業者さがし→図面作成(業者発注)→塗装→パーツ組み立て→調整→映像撮影・作品撮影→映像制作・パネル作成
―制作にあたっての苦労について教えてください。
そうですね〜。今回の作品は実際に人間が乗れるようにしたかったので、可能な積載重量を成人男性体重(70 ~ 80kg)でもクリアさせたかったのが…一番…。笑
それと、やはり最初にきめたコンセプトが制作をすすめるなかでぶれないようにするのが大変でした。伝えたいことをどういうカタチにして表現すればいいのか。この素材をつかうと間違うのではないか…?!と何を選択するにもコンセプトが第一優先なのです。苦笑
―差し支えなければ、卒業後について教えてください。
特別支援学校(高等学校・美術)教員です。

―卒業・修了作品展へご来場される方へ、メッセージをお願い致します。
私は2年生のころからずっと自転車関連のプロダクトデザインや環境デザインをしてきました。自転車が好きであった理由のひとつが今回の作品にもあらわれています。”エンジンをもたず、人のもてるエネルギーのみで動くモノ”モノと人の身体の関係の美しさにわたしは魅了され続けました。
今回の作品SITSQUAREは
大地に手をのばして欲しい。
大地は踏みしめるものだけではない。
大地をなででもいいじゃないか。
というメッセージとともにモノと人の身体の関係の美しさを追い求めました。みなさまのお越しを心待ちにしております。