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卒業制作『大久野島 過ぎ去りし日を想う』2014

―現在制作しておられる作品・活動内容、またはご職業について詳しく教えてください。

 

 

タオルメーカーで、企画職(デザイナー)として働いています。

主な仕事はillustratorを使ってタオルの柄をデザインし、海外や今治の工場の方と連絡を取りながら実際の商品にすることです。大学で学んだ織機や糸の知識が活かされることもあり、とてもやりがいを感じられる仕事です。自社ブランドをはじめ、国内外のブランドやテーマパークのタオル、イベントのタオルなど様々なジャンルの商品を作っています。また、タオル生地をベーズにバッグやポーチ、エプロンやおもちゃなど、アイテムも様々なものを企画しています。

 

 

 

―大学時代についてお聞きします。どのような大学生活を送りましたか。

 思い出に残るエピソードなどがございましたら是非教えてください。

 

 

私が1年生の時は各分野に因んだ課題があり、染織は羊毛フェルトを使った課題がありました。その課題がきっかけで、染織を学ぼうと決めた思い出深い授業です。

それまでは工芸分野に興味はあったものの、将来に不安を覚え迷いがありました。しかし羊毛フェルトと出会って繊維の表現に魅せられ、制作しながらもっとずっとやっていたい、と感じました。そんな思いを染織のTAの方に話したら、「好きなことをやるのが一番。将来のことは、自分がなりたいと思うものを強く思っていれば叶えられる。叶うように自分次第でなんとでも出来る」と背中を押してもらい、自分の好きなことをとことんやってみようと決断出来ました。織物を中心に制作していましたが、色と色を重ねて織り成していく工程のすべてが愛おしくて、本当に幸せな時間を過ごせたと思います。

就職は必ずすると決めていたので、就活解禁日と同時に内定をもらうまで突っ走り続けましたが、自分がやってきたことに自信を持てたのでつらいことがあっても目標に向かって前向きに活動することが出来ました。

 

 

 

―卒業・修了作品について紹介してください。

 

 

タイトル 【 大久野島 過ぎ去りし日を想う 】

制作年  【 2014 年 】

 

広島県竹原市の、瀬戸内海に浮かぶ大久野島という島をモチーフに制作しました。

大久野島は別名『うさぎの島』、そして『毒ガス島』とも呼ばれています。可愛らしさと不気味さ、柔と硬、生命と死。島が持つ二面性は、私の目の前で当たり前のように混ざり合います。その光景を見て感じた、違和感の表現を試みました。

 

 

 

―卒業・修了作品展の経験は、その後の制作活動や現在のお仕事にどのような影響を与えていますか。

 

 

卒業・修了制作展はそれまでの制作とは違い、各分野の多くの人と関わりながら一つの展覧会を作る、という貴重な経験でした。その中で、情報共有の大切さや、どんな場面でも自分の役割をしっかりと理解し責任を持ってやる、という社会人として大切なことを学びました。

 

 

 

―卒業生として、後輩に向けてメッセージをお願いします。

 

 

大学生活は、自分の好きなことを好きなだけ出来るとても素敵な時間だと思います。そんな限りある時間で、やりたいことをとことん本気でやり切ってほしいと思います。若さに任せて行動してみるのも、今しか出来ないことかもしれません。無茶だからこそやってみたら経験として自分の糧になることもあります。今の生活があることに感謝を忘れずに、自分が過ごした時間に自信を持ってどんな形でも将来に繋げてほしいと思います。

 

 

 

―今後の展示予定また宣伝などがございましたらご自由に記載くださいませ。

 

 

タオル美術館の店舗を見かけたら、足を運んで頂けると嬉しいです。可愛くてふわふわなタオルを是非手にとってみてください。

長谷川 明絵 Hasegawa Akie

 

 

学生時代の専攻:染織造形

卒業年:2015年

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